人生の大局をどう読むか―盤上に人生を刻む勝負師が語る「生き方の極意」 (知的生きかた文庫) 藤沢 秀行 三笠書房 2003-01 売り上げランキング : 391731 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
背表紙には、「あなたの”人間の厚み”が出てくる本」とあり、興味をもって一気に読みました。
藤沢秀行氏は、プロの囲碁棋士で、9歳から日本棋院に入門して以来、数々のタイトルをすべて第1期で獲得されてきた名士です。
この藤沢氏の魅力は、競輪で借金まみれになったり、泥酔で醜態をさらすなど、飄々として自由奔放な行動に相反して、勝負どころではばっちりと勝ち進んできているところかと思います。藤沢氏は、碁であれ、人生であれ、絶えず「最善手」を求めることを人生哲学としていると述べています。そこで、必要なのは、「厚み」であって、その「厚み」とは「目先の利を捨てて、将来に備えて力をためること」と藤沢氏はいいます。そして、いつであっても、「今が始まり」、「もう遅いということはない」と常に前向きな姿勢を貫き通しています。
この本を読んで得たものは大変多かったと思います。自分の器の小ささを感じつつ、あまり細かいことにくよくよせずに「今が始まり」を思い、前を向いて生きるしかないんだなと教えられました。
藤沢氏は、この本以外にまだまだ沢山の本を執筆しているようですので、書店や図書館で手にとって読みふけたいですと思うところです。