翔日記－Show　Diary

2013年12月31日火曜日

第149回直木三十五賞受賞「ホテルローヤル」（桜木紫乃（さくらぎ　しの）　著）

ホテルローヤル
桜木紫乃

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ホテルローヤル (集英社文芸単行本)
桜木紫乃

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　「ホテルローヤル」（桜木紫乃（さくらぎ　しの）　著）を読みました。この作品は、第149回直木三十五賞を受賞しています（2013年）。　

桜木紫乃さんは、北海道釧路市生まれの小説家、詩人で、高校時代から文芸クラブに所属し、裁判所でタイピストとして勤務もされていたようです。また、彼女は、ご結婚後に、文芸誌「北海文学」の同人として活動し、『氷平線』（2007年）で単行本デビューし、これまで十数冊の小説を執筆されています（参照元：wikipedia）。

　この「ホテルローヤル」は、釧路の高台のラブホテルを舞台とした短編小説（7話）です。話の流れは、現在から、ホテル開業に至るまで、時間をさかのぼる形で、「ホテルローヤル」を利用する者や従業員や開業者の日常が描かれています。各話は、それぞれ独立していますが、「ホテルローヤル」にかかわる様々な人物間に繋がりを見つけることができます。
　具体的には、（１）廃業してしまった「ホテルローヤル」の一室でヌード撮影をするカップルの話、（２）「ホテルローヤル」の開業者（田中大吉）の遺骨が納骨された寺の存続のために体を売る住職の妻の話、（３）田中大吉とその不倫相手のるり子の娘雅代とアダルトグッズ屋の「ホテルローヤル」での話、（４）苦しい生活の中で「ホテルローヤル」を利用した夫婦の話、（５）「ホテルローヤル」で無理心中した不倫妻をもつ教師と両親に見捨てられた女生徒の話、（６）「ホテルローヤル」で勤務する老婆ミコの話、（７）「ホテルローヤル」の創業者の田中大吉とその不倫相手のるり子の出会いとホテル創業、の流れとなっています。
　各話のところどころに淫靡な情景が描かれていましたが、全体的には極めて廃頽的で、登場人物の悲哀な人生が繊細に描かれていたと思います。

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