2012年3月24日土曜日

映画「阪急電車-片道15分の奇跡-」を観て

先日、映画「阪急電車-片道15分の奇跡-」(監督:三宅喜重)を観ました。

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 私は、先日、テレビで放映された「第35回 日本アカデミー賞」で、この映画の存在を初めて知りました。この作品に出演された中谷美紀さんが「優秀主演女優賞」を受賞され、宮本信子さんが「優秀助演女優賞」を受賞されています。

 私がこの映画を観ようと思った理由は、日本アカデミー賞で注目されたこともありますが、5年以上前になりますがこの映画の舞台となった阪急電車沿線に住んだことがあり、少し懐かしみの思いもあったことによります。

 この映画の原作は、小説家有川浩の短編小説集「阪急電車」です。

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 阪急今津線(全10駅)の各駅や電車内での人の繋がりをテーマにしています。登場人物は、いづれもごく普通の日常生活を送る老若男女です。

 登場人物は、婚約者を会社の後輩に寝とられたOL高瀬翔子(中谷美紀)や、イケメン彼氏からのDVに悩む女子大生森岡ミサ(戸田恵梨香)や、曲がったことが何よりも嫌いな老夫人萩原時江(宮本信子)など、多彩です。

 映画は、OL高瀬翔子が、自分の婚約者と後輩OLと向かい合い、婚約者に別れ話を告げられるという衝撃的な場面から始まります。そして、OL高瀬翔子は、元婚約者と別れる条件として、前婚約者と後輩OLの結婚式の披露宴に出席する約束を前婚約者としました。

 その後、OL高瀬翔子は、前婚約者に対して復讐するため、前婚約者と後輩OLの結婚式の披露宴にウエディングドレス姿で出席します。OL高瀬翔子は、結婚式の披露宴を途中退席するのですが、その帰りに乗った阪急今津線の車内で老夫人萩原時江に声をかけられます。

 また、女子大生森岡ミサは、イケメン彼氏と同棲するための住まいを探しに行く途中に、ウエディングドレス姿のOL高瀬翔子を目撃しますが、ウエディングドレス姿を話題にするうちに、イケメン彼氏と口論になります。口論の途中、イケメン彼氏が怒って下車してしまったところ、それを追いかけた女子大生森岡ミサの姿を見た老夫人萩原時江が、ミサに対して「くだらない男ね。別れてしまいなさい。」と厳しい言葉を放ちます。

 その他に、阪急今津線の車内では、地方から出てきた人見知りの女子大生権田原美帆(谷村美月)が車内で同じ男子大学生と出会ったり、PTAのセレブ気取りの奥様グループにつき合っている普通の主婦伊藤康江(南果歩)がPTAの奥様方と高級料理店の食事会に向かうところに女子大生森岡ミサとたまたま隣り合わせの席に座ったり、大学受験を控え年上の彼氏とスッキリしない女子高生門田悦子(有村架純)が同級生と恋話をしている姿を見て女子大生森岡ミサが自分の立場に悲観したりと、様々な日常な出来事が起こります。

  阪急電車を利用する複数の登場人物にスポットを当てているため、映画の中で複数のストーリーが進行します。そして、前述のように、阪急今津線の車内や駅などで複数の登場人物がすれ違い様に出会い、互いに影響を受けながらそれぞれの人生を進んでいきます。

 映画は、始まりこそ衝撃的でしたが、全体的に温かみのある雰囲気で仕上がっているように思います。複数の登場人物に合わせて場面が多く切り換わるものの、各場面間の繋がりなどに違和感なくゆったりと観ることができました。とても、いい映画だと思います。

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