2013年6月2日日曜日

「人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった」鴨頭 嘉人(かもがしら よしひと)

 「人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった」鴨頭 嘉人(かもがしら よしひと)を読みました。
人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった
鴨頭 嘉人

新潮社 2012-09-18
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 本書の著者は、1966年生まれで、高校生のときからアルバイトとして4年間、その後、社員として21年間、合計25年間もの間、日本マクドナルドに勤務された方です。

 非常に分かりやすく読みやすい本で、あっという間に読むことができました。

 本書では、著者が、マクドナルドで、新米アルバイトとして従事してから、東北地域の店長、複数の店舗を取り纏めるグループ運営店長に至るまでの間に、リーダとして実際に体験してきた生の声を知ることができます。
 
 具合的には、例えば、

・軽い気持ちで始めたアルバイトの入店、
・著者がアルバイトをずる休みしたにもかかわらず、それを知らないで著者のために先輩マネージャが行った暖かいフォロー、
・他の店員に嫌われてでもマクドナルドの規則を厳格に貫き、著者がマクドナルドに社員として入店するきっかけを作ってくれた今田氏との出会い、
・全国規模でオペレーションスキルを毎年競う大会AJCC(オール・ジャパン・クルー・コンテスト)の出場経験、
・著者をスイングマネージャーにさせるために自宅に住み込みまでさせて時間投資くれる先輩社員の今田氏の愛情、
・ハンバーガーの作り方でもマクドナルドの店舗経営でもなく人としての行動や人生の歩み方を教えるハンバーガー大学での経験、
・分担された他の仕事に従事するチームであっても共有できるゴールさえあれば協力してもらえることを知った経験(灰皿事件)、
・リーダとしてテキパキと指示を出したにも拘わらずスタンドプレーを否定され地味な仕事でも舞台監督のような仕事の重要性に気付かされた経験、
・著者が店長昇進直前にまかされた新店舗グランドオープンの際に緻密なメンタルケアを従業員に行い離職率を半年間もゼロとした経験、
・店長として働いた最初の店舗での失敗談(裸の王様状態、従業員の無断飲食やお金の持ち帰りを疑った、店長としてどんな店にしたいのか従業員に伝わっていなかった)、
・店長として勤務した最初の店舗での失敗を活かした次店舗での店長としての成功経験(従業員1人1人に店長としての思いを伝えた、従業員が主体的にあらゆる新企画を発案するようになった、従業員への温かみのあるフィードバック、最優秀店長受賞)、
・複数店舗を取り纏めるグループ運営店長としての成功経験(部下のマネージャーを尊敬し店長業務をまるごと委ねるチャレンジ)、
・東北最大の店舗での店長としてのリベンジ(従業員にどんな店舗にしたいか尋ねることで意識改革をした、従業員を信じた)等、

様々な実体験に基づく18ものエピソードがつづられています。

 そして、最後のエピローグには、マクドナルドを辞めるきっかけが記されています。そこには、著者の上司からの「結局お前は何になりたいんや」との問いかけに対して「命の使い方」を考え、現在著者が行っている「ハッピーマイレージ」活動に至るエピソードが記されています。


ハッピーマイレージのHP→ http://happymileage.net/
著者によるハッピーマイレージの紹介→youtubeの画像