2014年1月2日木曜日

「人生がときめく片づけの魔法」(近藤 麻理恵(こんどう まりえ) 著)

人生がときめく片づけの魔法


 
人生がときめく片づけの魔法
近藤 麻理恵

サンマーク出版 2010-12-27
売り上げランキング : 270

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 「人生がときめく片づけの魔法」(近藤 麻理恵(こんどう まりえ) 著)を読みました。この本は、Amazonの2012年年間ランキング(和書総合)で第13位というベストセラー本です(参照:AmazonのHP)。

 著者は、「片づけコンサルト」(正式には、整理収納コンサルト(特定非営利活動法人・一般社団法人ハウスキーピング協会認定)という資格らしいです。(著者のブログを参照))という片づけの専門家で、普段は顧客の自宅に出向いて整理収納のレッスンをされています。著書の紹介によりますと、彼女は、幼稚園年長から主婦雑誌(ESSE、オレンジページ等)を愛読し、小学生の頃には花嫁修業的に掃除、片づけ、料理、裁縫等の家事をこなしてきました。そして、中学3年生のときに「『捨てる』技術」という本を読んで片づけに開眼し、大学2年生のときに片づけのコンサルティング業務を開始されています(本書の巻末参照)。

 本書は、「一度片づけたら、絶対に元に戻らない方法」、つまりリバウンドを絶対にしない片づけをテーマに、単に片づけのやり方を列挙するのではなく、何のために片づけをして、片づけをすればその後の人生に対してどんな効果を与えるかを熱く伝えてくれます。つまり、巷のHOW TO本ではなく、自己啓発の要素も多く含んだ本である思います。

 片づけの流れは、ものを選別して捨てる→ものの収納先を決めて収納する、というもので、普通に考えればわかることです。

 ただ、この著者の片づけ方法の大きな特徴で、他に見られないところは、「捨てる」か否かの判断基準です。著者は、「捨てる」か否か判断基準として、ものを手にとってみて「ときめくか、ときめかないか」を採用しています。つまり、必要なものと必要でないものは人によって異なりますし、ものに対する愛着も人それぞれです。現時点で片づけられていない人は、その人にとって必要でないものを多く抱え込んでいるはずで、それらの不要なものを「ときめき」の有無で判断しようとするものです。

 私も実践してみると、いかに、不要でときめかない多くのものに囲まれていたのかを思い知らされます。例えば、自己啓発のために買い込んだ英語や資格の本、知財業務から離れる友人から頂いた本業に関係する本、もう15年前に買った時代遅れのブルーの高級ブランドダブルスーツ、5年以上前の正月に購入した福袋に入っていた衣類、過去に受講したセミナー資料、大学院の研究論文の執筆過程の書類、引っ越しで使用した段ボール、化粧品購入時に付属でついていた試供品、何年も前の年賀状、何の病気で病院で処方してもらったか分からない薬類等。これらは、私にとって今となっては全くときめかないものたちでしたので、躊躇なく捨てることができました。

 収納については、著者は、本書にて、まず、すべてのものの定位置を決めることを提案してます。つまり、すべての持参品が収まるべき住所を付ける作業を重視しています。住所不定のものが一つでもあると、部屋のなかでものが散らかる可能性が一気に高くなることを指摘しています。収納は、同じカテゴリーのものは1か所に集めて収納し、分散させないことが、重要であるとのこと。

 私も実践してみました。私は、引き出し付きクリアケース9個、引き出し無クリアケース2個を有していました。以前は、引き出し無のクリアケースを、冬物と夏物を入れ替えるために使用していました。しかし、本書が指摘するように、一度、引き出し無のクリアケースに入れてトランクルームなどに収納してしまうと、次の季節がきてもそのクリアケースは開けられなくなってしまっていました。その結果、ここ数年、全く手に取らない衣類が大量に。中には改めてときめいた衣類もありましたが、それ以外は今となっては古めかしいものとなっていましたので、ここでも大量の衣類を処分しました。その結果、2つの引き出し無のクリアケースは不要となりました。衣類のたたみ方も、すべての衣類が、たたみ終わった後に四角形にして立てるように効率用収納することに心がけました。例えば、Tシャツ類は以下のようにうまく収まりました。

















 
 最後に、本書では、片づけが完了することによって、人生観をも変えられることが、語られています。著者は、ものを捨てられない原因として、「過去に対する執着」「未来に対する不安」を挙げています。このような原因にとらえられているときは、自分にとって必要なものや求めているものが見えていない状態で、それゆえに不要なものをますます増やしてしまい、物理的にも精神的にもいらないものに埋もれてしまうことを警告しています。

 私は、これまで何度も、今もっているものの充足性を深く考えずに、ついつい衝動買いや、消耗品を無駄に買いだめをしてしまったりしていました。これは、確かに、自分の所有物に向き合うことをせずに、うやむやにしてきた結果だと痛感します。
 

  本書を手にとり片づけをしたことによって、私にとって必要なものが見えてきたような気がします。そして、本書が伝えているように、片づけは、単に私にとって必要な所有物の選別だけに足りず、それらの所有物に囲まれて生活している私自身の考え方(本当にやりたいこと等)に変化をもたらすものに思えるようになりました。
 今後、以前よりも片づけられたこの部屋で、私自身の価値観がどう変わっていくのかを楽しみながら、日々の生活をより充実させて過ごしていきたいを思います。

〈注意事項〉本記事の著作権は、作者(hitooru)にく属します。リンクなどをしていただいても構いませんが、本記事をそのまま転載するようなことを禁止します。ただし、趣旨によっては考慮いたしますので、Twitterなどを介して予めご連絡ください。

なお、本書のパート2等もすでに出版されているようですので、以下に紹介します。



 
人生がときめく片づけの魔法2人生がときめく片づけの魔法2
近藤麻理恵

サンマーク出版 2012-10-09
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