2012年5月26日土曜日

ラーメン一蘭 新橋店(東京都港区新橋)

ラーメン一蘭 新橋店」に行ってきました。
 私が訪ねたのは、ちょうど新規オープンの2012年5月17日当日で、運よく「オープン記念特別プレゼント」である「汁なしとんこつ専用どんぶり」を頂きました。
 このお店は、JR新橋駅前のSL広場の目の前という好立地に構えており、からす亭ビルの地下1階にあります。 










































 店内は、一蘭おなじみの縦長の味集中カウンターが設けられています。この味集中カウンターは、客席である各カウンター席が並ぶ客側通路と、店員さんが調理等する作業場である接客スペースがある店側通路とが、空間的に仕切られています。また、各カウンター席の間に衝立が設けられており、隣の席との仕切りとなっています。さらに、各カウンター席の正面向いに厨房などの作業場があるのですが、ラーメンが出てきた後は、カウンター席正面にすだれがかけられます。
























 この「味集中カウンター」は、「店舗システム」として、特許登録されているとのことです(特許4267981号)。参考までに特許請求の範囲および図面を文末に掲載しておきます(参考1、2)。拝見する限りでは、本件特許の権利範囲は、座席の配列や衝立やすだれだけでなく、客の入退検知や客の着座・離座の検知や客の注文用の連絡スイッチなどで特定されビジネスモデルのようです。

 注文は、以下のようなシートに、自分の好みを記入して、カウンター前方の「呼出ボタン」を押します。私は、「味の濃さ:基本」、「こってり度:基本」、「にんにく:基本」、「ねぎ:白ねぎ」、「チャーシュー:あり」、「秘伝のたれ:1/2倍」、「麺のかたさ:かため」に丸をつけて、とんこつラーメンを注文しました。






















 注文して待つこと数分で、ご覧のようなとんこつラーメンがカウンター正面の開口から提供された後、すだれがかけられます。

















  整えられた麺がきれいにどんぶりの中に収まっています。スープもうっすらと表面を豚骨の油が覆っており、輝いています。中央には、「秘伝のたれ」と呼ばれる、唐辛子を基本に30数種類の材料を配合し、何昼夜も寝かせた赤いたれが、アクセントになっています。

 スープは、濃すぎず薄すぎすコクのあるバリバリの豚骨スープです。とろみも程よく非常に飲みやすかったです。

















 麺は、超極細麺です。このため、茹であがりが非常に早く、注文してからあっという間にラーメンが提供されます。麺がスープに勝ってしまい、味が薄くなってしまうことがあるため、個人的には好みではないのですが、ここの細麺は濃厚な豚骨スープに非常に相性がよく、口の中で麺とスープが旨い具合に調合します。
















 チャシューは脂身が気になりましたが、かなり煮込んだものらしく非常に柔らかかったです。

















 やはり最後は替え玉を注文してしめました。


















 一蘭は、全国に35店舗以上あり、全国に多くのファンに支えられてきた確かな味をしっかりとした品質をもって守ってきているように思います。
 そして、このように多数の店舗を全国に展開してきた背景には、上述で紹介した特許の存在も大きく貢献しているように思います。
 この特許発明の効果には、「本発明によれば、店内マネージャーが厨房などのように奥まった場所に留まっていても、客の入退店、接客状況などを容易に把握できるとともに、店の従業員も迅速な接客が可能となる。さらに、客としても、店の従業員と接触が自分の必要なときだけでよいので煩わしさがなく、食事に集中することができる。また、客も店の従業員も店内での移動がシンプルで効率的であり、しかも、店の従業員は客と顔を合わせることがないにも拘わらず、迅速かつ必要十分な接客が可能となる。さらに、客と従業員とが顔を合わせることがなく、また、接客スペースを挟んで客席が対向している配置の場合、客同士が顔を付き合わせるような状態も避けることができるので、より食事に集中できる。」と記載されています。
 「食事に集中できる」環境の下で、顧客においしい豚骨らーめんを提供する。ここに徹したサービスが世の中に受け入れられてきた結果として、今の繁栄にあるのではないかと思います。

「オープン記念特別プレゼント」である「汁なしとんこつ専用どんぶり」






















(参考1)特許4267981号の特許請求の範囲
(なお、下線は重要個所を示すのではなく、特許出願後に出願人が補正をして書き加えたり書き直したりした箇所を示します。)
【請求項1】
出入口から客席を含む客の動線を直線的に構成する複数の客側通路と、厨房を含む店の従業員の動線を直線的に構成する店側通路とが空間的に仕切られており、前記店側通路の一部をなす接客スペースが、長手状のカウンターを複数の間仕切りで仕切って個別に構成した複数の前記客席と対向して形成されるとともに、前記接客スペースと前記客席とを暖簾で仕切った店舗システムにおいて、
前記客の動線中に配設した客側機器である、
a)出入口に設置された客の入店及び退店を検知する入退センサと、
b)客席に設置された客の着座及び離座を検知する座席センサと、
c)各客席に設置された、客から店舗側へ意思表示する連絡スイッチと、
前記店の従業員の動線中に配設した店側機器である、
d)少なくとも接客済みか否かを入力可能とした座席情報入力スイッチと、
e)前記座席センサの検出結果、前記連絡スイッチ及び前記座席情報入力スイッチからの入力結果に基づいて座席状態を表示する客席情報出力器と、
を備えるとともに、
前記座席情報入力スイッチは第1ボタンと第2ボタンとを備え、
前記客席情報出力器は、
前記第1ボタン及び前記第2ボタンと共に、前記接客スペース内であって、前記客側通路の反対側上部に、前記各座席毎に設けた客席ボックスの前面に並設され、前記座席センサが着席又は退席を検出すると点滅表示するとともに、着席を示す点滅時に前記第1ボタンが押下されると点灯に変化し、退席を示す点滅時に、前記第1ボタンが押下されると消灯する一方、前記第2ボタンが押下されると前記点灯状態に復帰する第1ランプと、
前記連絡スイッチからの入力信号により点灯表示する一方、前記第2ボタンが押下されると消灯する第2ランプと、
前記厨房に配設され、前記座席センサが着席を検出すると点灯する第3のランプと、
前記入退センサが客の入退を検出すると、入店と退店とを区別した音が発せられる前記厨房に配設した第1の店側スピーカと、前記店側通路に配設した第2の店側スピーカと、客側通路に面して取付けた客側スピーカと、
を備えることを特徴とする店舗システム。
【請求項2】
客の追加注文を受け付ける注文用スイッチと、この注文用スイッチがONされたことを音声で報知する報知器とを設けたことを特徴とする請求項1記載の店舗システム。
【請求項3】
店舗内の空席状況を表示する空席案内表示器を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の店舗システム。



(参考2)特許4267981号の参考図























店名:天然とんこつラーメン 一蘭 新橋店
住所:〒105-0004 東京都港区新橋2-8-8 からす亭ビルB1
電話:03-3591-6188 
営業時間:11:00 - 翌6:00
休み:なし


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