2012年5月5日土曜日

映画「わが母の記」を観て

先日、2012年4月28日公開の映画「わが母の記」(監督・脚本:原田眞人)を観てきました。






















 この映画は、小説家井上靖の自叙伝的小説「わが母の記」を原作としています。この小説は、「花の下」「月の光」「雪の面」の3部作となっており、著者井上靖の母が80歳から亡くなる89歳になるまでのことが書かれています。

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 映画の舞台は、1950~1960年代の昭和時代です。既にベストセラー作家となっていた小説家の伊上洪作(役所広司)と洪耕の母である八重(樹木希林)との愛と絆がこの映画に描かれています。

 伊上洪作の父である隼人(三國連太郎)が亡くなってから、八重の物忘れがひどくなっていきます。そして、八重は夜に徘徊するようになり、もう誰が誰かも分からなくなっており、とうとう実の息子である洪作のことですら忘れてしましまいます。

 そのようななか、洪作は、過去に自分が母親に捨てられて、曾祖父の妾・おぬいに伊豆の山奥の土蔵の中で育てられたことを、八重に問い詰めます。それにもかかわらず、八重は、痴呆でありながらも、無意識に、息子である洪作への当時の想いをつぶやき始めるのです。

 出演は、伊上洪作(役所広司)、洪作の母である八重(樹木希林)、父の隼人(三國連太郎)の他に、妻の美津(赤間麻里子)、長女の郁子(ミムラ)、二女の紀子(菊池亜希子)、三女の琴子(宮崎あおい)、洪作の妹である桑子(南果歩)、同じく妹の志賀子(キムラ緑子)、その夫の明夫(小宮孝泰)、洪作の運転手の瀬川(三浦貴大)、洪作の秘書の珠代(伊藤久美子)で、実力派の俳優陣が揃っています。

 この映画には私もだいぶ泣かされました。特に、前述のように、八重が息子への想いのつぶやいたところや、海岸で八重をおんぶする洪作の姿などで、こらえきれなくなりました。この映画は、改めて、家族の大切さを考えさせられる素晴らしい映画だと思います。

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